Red Hat Ansible Automation Platform の適切なデプロイメント・オプションを選択する

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アプリケーションのデプロイ先やデプロイ方法に関する選択肢は増え続けており、それは自動化ソリューションも例外ではありません。

Red Hat® Ansible® Automation Platform は、ハイブリッドクラウドからエッジロケーションまで、大規模な IT 自動化を構築して運用するためのエンタープライズ・フレームワークを提供します。開発、運用から、セキュリティ、ネットワークに至るまで、組織のあらゆるチームのユーザーが自動化を作成、共有、管理できるようにします。

Ansible Automation Platform のデプロイメント・オプションは、次のどちらかを選択できます。

  • 主要なパブリッククラウド・プロバイダーから、マネージド型またはセルフマネージド型のアプリケーションを購入する
  • Red Hat から直接セルフマネージド型オプションを購入し、お好みのインフラストラクチャ (クラウドまたはオンプレミス) にデプロイする

Ansible Automation Platform によるハイブリッドクラウドの自動化について詳しく見る

Ansible Automation Platform は、クラウド・マーケットプレイスや Red Hat から直接購入できますが、どのオプションを選択するかは組織のニーズによって異なります。

短期的なコミットメントによる柔軟性を活用するため、より多くの金額を前払いを選ばれる組織の場合、Ansible Automation Platform をパブリッククラウド・マーケットプレイスから MSRP で購入できます。自動化への投資から最大の価値を引き出したいとお考えの組織には、プライベートオファーにより年間または長期のコミットメントで割引価格を提供しています。

Red Hat の既存のお客様で割引価格にご関心がある場合は、Red Hat のアカウント担当者にご相談ください。プライベートオファーを検討されている場合は、セールスチームまでお問い合わせいただくか、コールバックをご請求ください。 

Red Hat のリソース

Ansible Automation Platform のデプロイメントのインストール、管理、保守方法は、組織が必要とする柔軟性またはカスタマイズのレベルによって異なります。

マネージド型のアプリケーション・デプロイメント・モデルでは、Red Hat が Ansible Automation Platform を実行するインフラストラクチャを管理し、お客様は、セルフデプロイまたはセルフマネージドのアプローチの場合と同様に、プラットフォームの設定を担います。マネージド型のオプションは、Ansible Automation Platform のデプロイメント、パッチ適用、アップグレードを Red Hat に任せて、自社の業務をより効率的でスケーラブルなビジネスのための自動化戦略の開発に集中したいと考える組織に最適です。このオプションを選択した場合でも、組織は Ansible Automation Platform およびアプリケーションの設定、顧客向けの製品機能、シングルサインオン (SSO) を構成する必要があります。 

マネージド型のデプロイメント・オプションには、マネージド型サービスのデプロイメントとマネージド型アプリケーションのデプロイメントの 2 種類があります。マネージド型サービスのデプロイメントでは、Red Hat は Ansible Automation Platform と関連するインフラストラクチャを管理し、そのインフラストラクチャに必要な更新も行います。インフラストラクチャはクラウド環境の外部に存在するため、お客様はこのプロセスを確認できません。マネージド型アプリケーションのデプロイメントでは、Red Hat が Ansible Automation Platform と関連するインフラストラクチャを管理しますが、お客様はインフラストラクチャはクラウド環境に存在するため、そのインフラストラクチャを確認できます。 

以下に該当する場合、Ansible Automation Platform のマネージド型アプリケーションのデプロイメント、またはマネージド型サービスのデプロイメントを選択することをおすすめします。

  • Red Hat にプラットフォームの管理、サービス、サポートを任せたい。
  • デプロイメントにおいて設定にかかる時間を最小限に抑え、最大限のサポートを得たい。
  • Ansible Automation Platform 環境のアップグレードと管理は Red Hat に実行して欲しい。

セルフマネージド型のデプロイメントはより柔軟性が高いため、環境のカスタマイズや管理を直接行いたいお客様に最適です。このオプションは、セキュリティや法令順守、コーポレートガバナンスポリシーが要因となるユースケースに適しています。また、セキュリティが強化されたクラウドデプロイメントへのアクセスも可能になります。

以下に該当する場合、Ansible Automation Platform のセルフマネージド型のデプロイメントを選択することをおすすめします。

  • 最小限の設定と最大限の柔軟性で、企業全体での自動化をデプロイしたい。
  • カスタマイズが必要な特定のセキュリティ要件やコーポレートガバナンス要件がある。
  • Ansible Automation Platform 環境のインストール、アップグレード、管理、スケーリングに抵抗がない。

パブリッククラウドとは、サードパーティ企業が所有および管理するハードウェア上に開発された仮想リソースで構成される環境を指します。クラウド・サービス・プロバイダーは、これらのリソースを自動的にプロビジョニングし、複数のクライアントに割り当てることで、予期せぬ需要の変動を考慮したスケーラブルなサービスを実現しています。

大手クラウド・サービス・プロバイダー (ハイパースケーラーとも呼ばれる) は、マネージド型ソリューションとセルフマネージド型ソリューションの両方を提供しており、他のサービスやアプリケーションとの統合、確約利用料や確約利用割引など、さまざまなメリットがあります。Amazon Web Services (AWS)、Google Cloud、Microsoft Azure はすべてハイパースケーラーとみなされており、それぞれのクラウド・マーケットプレイスから Ansible Automation Platform を購入できます。それぞれの選択肢については以下でご紹介します。

以下に該当する場合、クラウド・マーケットプレイスから Ansible Automation Platform を購入することをおすすめします。

  • パブリッククラウド・プロバイダーの確約利用料プログラムに興味がある、または既存のクラウドプロバイダーの確約利用料を適用して Ansible Automation Platform を購入したい。
  • Ansible Automation Platform のテンプレート化された、または管理されたデプロイメントに興味がある。
  • AWS、Microsoft Azure、Google Cloud のサービスや機能に対応している何百もの Ansible モジュールおよび認定コンテンツを活用したい。

Microsoft Azure

Red Hat Ansible Automation Platform on Microsoft Azure では、Microsoft Azure クラウド上で Ansible Automation Platform をホストできます。Azure Marketplace から購入でき、Azure パブリッククラウドの請求に含まれます。Microsoft Azure Consumption Commitment を利用するか、マイクロソフトとの既存の確約利用料を利用して、このソリューションを購入することができます。

Ansible Automation Platform on Azure は、Azure Active Directory、Azure Virtual Machines、Azure データベースサービス、Azure Container Registry、Azure Key Vault などの Azure サービスに統合済みです。

最小限の設定と最大限のサポートを希望するお客様はマネージド型アプリケーションとして、環境を直接カスタマイズまたは管理したいお客様はセルフマネージド型のデプロイメントとして利用できます。

Red Hat Ansible Automation Platform on Microsoft Azure Red Hat OpenShift® では、Red Hat とマイクロソフトが共同で設計、運用、サポートする包括的なアプリケーション・プラットフォームである Azure Red Hat OpenShift で、OpenShift Operator を使用して Ansible Automation Platform をデプロイできます。

Azure Red Hat Openshift 上の Ansible Automation Platform は、Ansible Automation Platform 環境のフル制御を可能にするセルフマネージドのサービスです。Azure Red Hat OpenShift を Azure インフラストラクチャ上で実行しているお客様向けのプライベートオファーとして、Azure マーケットプレイスを通じて購入できます。 

Ansible Automation Platform on Microsoft Azure について詳しく見る

Amazon Web Services (AWS)

AWS Marketplace から入手可能な Red Hat Ansible Automation Platform では、AWS クラウド上で Ansible Automation Platform をホストできます。これは、マネージド型のサービスとしても、サブスクリプションのみのセルフマネージド型のデプロイメントとしても利用できます。前者は、設定にかかる時間を最小限に抑え、最大限のサポートを得たいお客様に適しており、後者は、環境のカスタマイズや管理を直接行いたいお客様に適しています。どちらのデプロイメント・オプションも AWS Marketplace から購入でき、AWS クラウドの請求に含まれます。既存の AWS の確約利用料を使用してこのソリューションを購入し、AWS の機能とサービスに対応している 100 近いモジュールを利用することができます。

この選択肢では、AWS インフラストラクチャ上でのデプロイメントの構築のほか、Operator を介して Red Hat OpenShift Service on AWS に Ansible Automation Platform をインストールすることもできます。

AWS Marketplace で入手可能な Ansible Automation Platform について詳しく見る

Google Cloud

Google Cloud Marketplace から入手可能な Red Hat Ansible Automation Platform では、Google Cloud 上で Ansible Automation Platform をデプロイできます。このセルフマネージド型サービスは、Google のクラウド請求に加算され、Google Cloud の確約利用料にカウントされます。

Ansible Automation Platform は、Google Virtual Private Cloud (VPC)、セキュリティグループ、ロードバランサー、Google Compute Engine、インスタンスグループなどの Google Cloud サービスと完全に統合されています。また、Google と Red Hat によって共同開発され、セキュリティテストも両社によって実施されています。Google Cloud の機能とサービスをサポートする 170 以上のモジュールが用意されており、Google Cloud リソースの自動化と管理を支援します。

Google Cloud Marketplace で入手可能な Ansible Automation Platform について詳しく見る

クラウドプロバイダーから Ansible Automation Platform を購入する以外の選択肢として、Red Hat はセルフマネージドのデプロイメントを販売しており、お客様の組織の敷地内、データセンター、またはプライベートクラウドやパブリッククラウドに物理的に配置されたハードウェアにインストールすることができます。この選択肢では、最大限の制御性、柔軟性、カスタマイズ性をもって、Ansible Automation Platform 環境のインストール、運用、管理を行うことができます。お客様は、アップグレードの制御、下位レベルのインフラストラクチャの管理、サービスレベル契約 (SLA) の維持を行います。Ansible Automation Platform には、Red Hat Enterprise Linux® 経由の Red Hat Ansible Automation Platform と Red Hat OpenShift 経由の Red Hat Ansible Automation Platform という、2 つのオンプレミスのセルフマネージド型デプロイメント・オプションがあります。

Red Hat Enterprise Linux 経由の Ansible Automation Platform では、Red Hat Enterprise Linux 上で Ansible Automation Platform をホストすることができ、料金は Red Hat によって請求されます。以下に該当する場合、このデプロイメント・オプションを選択することをおすすめします。

  • アップグレードを管理することができる。デプロイメント内のすべての自動化コンテンツを完全に制御したい。
  • Ansible による自動化の経験があり、Ansible Automation Platform を企業全体の自動化のための一元的プラットフォームとして活用したい。
  • パブリッククラウド・プロバイダーとの既存の確約利用料がなく、オフラインでのデプロイメントを希望している。
  • 現在、コンテナやコンテナ化技術を使用していない。
  • 自動化をグローバルなデータセンターにシームレスに拡大したい。

Red Hat OpenShift 経由の Ansible Automation Platform では、専用の Operator を介して、Red Hat OpenShift インフラストラクチャ上で Ansible Automation Platform をホストできます。以下に該当する場合、このオプションを選択することをおすすめします。

  • Red Hat OpenShift on AWS や Microsoft Azure Red Hat OpenShift などのパブリッククラウドを通じて提供されるデプロイメントを含め、すでに Red Hat OpenShift を使用している。
  • Red Hat OpenShift を使用して DevOps や継続的インテグレーション/継続的デリバリー (CI/CD) パイプラインを管理しており、これらのワークフローに Ansible Automation Platform を統合したい。 

Ansible Automation Platform の全デプロイメント・オプションを見る

組織に適した Ansible Automation Platform のデプロイメント・オプションを選択するのは複雑に思えるかもしれません。しかし、Ansible Automation Platform をインストールする場所 (パブリッククラウドかオンプレミスか) と、デプロイメントの制御レベル (マネージドかセルフマネージドか) を特定すると、シンプルになります。また、パブリッククラウド・プロバイダーとの既存の確約利用料を評価し、Ansible Automation Platform で管理したいクラウドサービスを特定することで選択肢を絞り込むこともできます。

A decision tree for choosing the right Ansible Automation Platform cloud deployment option for your organization.

Ansible Automation Platform のデプロイ場所を選択するための意思決定ツリー。

Ansible Automation Platform をクラウド・マーケットプレイスから購入する場合でも、Red Hat から直接購入する場合でも、利用可能なさまざまなデプロイメント・オプションにより、導入を支援し、現在のインフラストラクチャおよび IT 戦略との統合を実現します。すべての Ansible Automation Platform サブスクリプションには、Red Hat によるプレミアムレベルのサポートに加え、専門家によるコンサルティングとトレーニング、完全に統合されたツール、Red Hat とテクノロジーパートナーが維持管理する 140 以上の認定コンテンツコレクションへのアクセスが付属しています。

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